用語集

正式名称は、Taskforce on Inequality and Social-related Financial Disclosures。企業や金融機関の社会的不平等・人権課題に関する情報開示の枠組みを検討するために設立された国際的なワーキンググループ（タスクフォース）である。

企業の活動が社会的不平等や人権に与える影響について、投資家や利害関係者に対して透明性のある情報開示を行うための指針の整備を目的としており、TCFD（気候関連財務情報開示タスクフォース）やTNFD（自然関連財務情報開示タスクフォース）の社会版とも位置づけられている。

SAF（Sustainable Aviation Fuel）とは、「持続可能な航空燃料」の略称であり、廃食油、バイオマス、廃プラスチックなどの再生可能資源や廃棄物を原料として製造されるジェット燃料。従来の化石由来の航空燃料と比べて、ライフサイクル全体で温室効果ガス（GHG）の排出を大幅に削減できるとされており、航空分野の脱炭素化における重要な選択肢の一つと位置付けられている。国際民間航空機関（ICAO）の「CORSIA（国際航空のためのカーボンオフセットおよび削減スキーム）」においても、排出削減手段の一つとして正式に認められており、各国で制度整備や供給インフラの構築が進められている。

温室効果ガス算定量の算定・報告・公表制度の略
地球温暖化対策に関する法律に基づき、温室効果ガスを一定（CO2換算で3,000t）以上排出する事業者に温室効果ガス排出量を算定・報告することを義務付ける制度です。

SBTi（Science Based Targets initiative）は、企業が気候変動に対する取り組みとして、科学に基づいた排出削減目標を設定し、それを達成するための行動を促進する国際的なイニシアチブ

The Taskforce on Nature-related Financial Disclosures（自然関連財務情報開示タスクフォース）の略称。

企業や金融機関が自然関連の依存、影響、リスク、機会を評価し、開示し、行動を促進するための国際的な取り組み。世界の資金の流れを自然にマイナスの影響を与えるものから、自然にプラスの影響を与えるものへとシフトさせることを目標に2021年6月に設立された。
2023年9月に自然関連の問題を特定、評価、対応、開示するためのリスク管理および開示の枠組みとしてTNFD勧告（TNFD Recommendations）と追加ガイダンスを発表している。
TNFD勧告は、ガバナンス、戦略、リスクとインパクトの管理、測定指標とターゲットという4つの柱を中心に構成されている。

「Sustainability Standards Board of Japan（サステナビリティ基準委員会）」

日本におけるサステナビリティ情報の開示基準を策定するために設立された組織。2022年に財務会計基準機構（FAFS）の下に設置された。国際的なサステナビリティ基準（ISSB基準）と調和した基準を開発することを目的としている。SSBJは、企業が投資家やステークホルダーに対して、気候変動などの持続可能性に関する情報を適切に開示できるように、具体的な基準を作成し、日本国内外のサステナビリティ報告の標準化を進める役割を果たす。

「Science Based Targets for Forest, Land, and Agriculture」

森林、土地利用、農業分野（ Forest, Land, and Agriculture、FLAG）に関する科学的根拠に基づく温室効果ガス削減目標（Science Based Targets、SBT)のこと。FLAGセクターは気候変動の影響を最も強く受けるセクターであり、同時に世界の温室効果ガス排出量の22％を占める重要な排出源であることから、土地由来の排出をする一部の企業は全体的なSBT目標の一部としてFLAG目標を設定する必要がある。SBT-FLAGの認定には、2025年までに森林破壊ゼロのコミットメントをすること、短期的・長期的なSBT-FLAG目標を設定することが必要。

サプライチェーン排出量のうち、Scope1、Scope2に含まれないもの。原材料の調達や製品の輸送、使用、廃棄、さらには従業員の通勤や出張など、自社の事業活動に関連する他社の排出が対象となる。

Scope 3は、以下の15のカテゴリに分類されている。

1　購入した製品・サービス        

2　資本財        

3　Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動        

4　輸送、配送（上流）        

5　事業から出る廃棄物        

6　出張        

7　雇用者の通勤        

8　リース資産（上流）        

9　輸送、配送（下流）        

10　販売した製品の加工        

11　販売した製品の使用        

12　販売した製品の廃棄        

13　リース資産（下流）        

14　フランチャイズ        

15　投資        

企業や組織が外部から購入するエネルギーに伴う間接的な温室効果ガスのこと。直接的な排出ではなく、電力や熱、蒸気といった外部のエネルギー供給者がエネルギーを発電する際に排出する温室効果ガスが対象となる。自社発電した再生可能エネルギーは含まない。具体例として、企業がオフィスで使用する電力や冷暖房に使われるエネルギーなどが当てはまる。

企業や組織が自らの施設や運営活動から直接的に排出する温室効果ガスのこと。GHGプロトコルにより設定された温室効果ガスの3つの排出区分の一つ。具体例として、燃料の燃焼や工業プロセスでの排出が含まれる。自社が排出する温室効果ガスのうち、企業の直接的なエネルギー消費に伴う排出がカウントされる。