【GRI】企業収益のステークホルダー分配を考えるーGRI経済インパクト開示基準草案を読む

1997年より世界共通の自主的サステナビリティ開示基準を開発してきたグローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)では現在、報告組織がもたらす経済インパクトに関する項目別スタンダードの改定を順次行っています。このうち、企業収益の分配に関するMonetary Flowsスタンダードの草案が公開され、2025年12月17日までパブリックコメントを募集中です。日本からも幅広く意見を募るため、公開草案の主要点を解説するウェビナーを開催します。
通常の財務報告において収益の株主、従業員への分配や投資に関する全般的情報は提供されていますが、これだけでは投資家や労働者、地域にとって企業の貢献や長期的な成長のポテンシャルを判断するには十分とは言えません。Monetary Flowsスタンダードはサステナビリティの観点から企業収益の分配に光を当てることで、財務報告とサステナビリティ報告の連結点を浮かび上がらせます。各社が自社だけでなく多様なステークホルダー(株主、貸主、従業員、サプライヤー、政府、地域、環境など)のニーズに応えるべく利潤を生みだし、それをどのようなバランスで配分するかという財務面での意思決定は、長期のビジネス耐性と持続可能性に大きく影響すると考えられます。同スタンダードは、付加価値計算書(value-added statement)の形式に基づき、通常の損益計算書を補完する形で企業収益分配の開示を促します。
今回はGRI事務局の担当者に加え、経済インパクト・ワーキンググループのメンバーを務める田辺総合法律事務所の市川佐知子氏を招き、Monetary Flowsスタンダードの策定議論とその意義を説明いただきます。またアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社(※)サステナブルインベストメント部の江上太朗氏にもご登壇いただき、投資先企業とのエンゲージメントを担う立場から企業収益分配に関する情報の重要性やその読み方などについて語っていただきます。
グローバル・サステナビリティ基準審議会(GSSB)とGRI事務局は多様な地域・セクターの実情を反映し、グローバルに適用できる基準策定を目指しています。草案へのパブリックコメントは、報告組織やステークホルダーが意見を共有し、基準の開発に貢献していただくための重要な機会です。
ウェビナーでは公開草案の説明に始まり、ゲスト専門家による解説、コメント提出プロセスの説明を行い、その後参加者の皆様との質疑応答を行います。企業のサステナビリティ担当者のみならず、取締役、会計財務・IR担当者、機関投資家、評価機関、規制当局、労働・環境団体などの多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(※)2025年9月1日付で、日興アセットマネジメントから社名変更。詳しくはこちら。
【補足情報】
Monetary Flowsスタンダード公開草案(英語のみ)
コメント用質問一覧(英語のみ)
コメント提出サイト(英語のみ)
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